[2023/10/30] 
「年収の壁・支援強化パッケージ」の取り扱いについて

 令和5年9月27日に厚生労働省から公表された「年収の壁・支援強化パッケージ」について、具体的な取り扱いに係るQ&Aが令和5年10月20日に示されましたので、制度の概要と併せてお知らせします。

 

【年収の壁とは】

 「年収の壁」とは、パート・アルバイト等で働く方が、一定の収入基準を超えると社会保険料の負担が生じ、手取り収入が減少することから、この収入基準のことを指しています。

 

○106万円の壁

 特定適用事業所(主に101人以上の事業所)で働く労働者で一定の要件(※1)を満たしている場合、年収106万円以上になると社会保険の被保険者となり、保険料負担が生じることから手取り収入が減少すること。

 

 ※1  1週間の所定労働時間が20時間以上

雇用期間が2か月を超える

学生ではない

 

○130万円の壁

 年収130万円以上になると家族の扶養から外れ、主に国民健康保険等に加入することとなり、保険料負担が生じることから手取り収入が減少すること。

 

 

「年収の壁」について、次の対応が示されました。

 

【106万円の壁への対応】

 事業主は、新たに社会保険に加入した労働者に対して、「社会保険適用促進手当」を支給することができるようになりました。

「社会保険適用促進手当」には一定の要件(※2)がありますが、給与や賞与とは別に支給され、標準報酬月額や標準賞与額の算定には含まれません。このことから手取りが減らずに社会保険に加入することができるようになります。

なお、「社会保険適用促進手当」を支給する等の対応を実施した事業所に対し、国より労働者1人当たり最大50万円の支援があります。(詳細は厚生労働省ホームページ等をご参照ください。)

 

※2  対象となる労働者の標準報酬月額が10.4万円以下であること

   手当の額は、新たに発生した本人負担分の保険料相当額を上限とする

   最大2年間適用

 

【130万円の壁への対応】

 被扶養者の認定には、対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上又は障害者の方は180万円未満)であること等が要件となっていますが、人手不足による労働時間の延長等に伴う一時的な収入変動により認定基準を超える収入となってしまった場合には、通常提出する書類に加えて、「被扶養者の収入確認に当たっての「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書」を添付することで、被扶養者認定が可能となりました。

 なお、あくまでも「人手不足等の事情に伴い一時的に勤務が増加した期間の収入」が対象であり、人手不足等の事情がなく通常どおりの勤務状態で収入超過が見込まれる場合は対象になりません。(通常提出していただく書類のほか、直近3か月分の給与明細書、事業主の証明書の内容等により判断いたします。判断できない場合には、当年中の給与明細書や雇用契約書等の提出をお願いする場合があります。)

また、この取り扱いは、被扶養者認定日が令和5年10月20日以降の取り扱いであり、同一の者について「連続2回」までが上限となっております。(令和5年10月19日以前には適用されません。)

  

 

詳細につきましては、次の厚生労働省ホームページ等をご参照ください。

 

年収の壁・支援強化パッケージ(厚生労働省)

社会保険適用促進手当に関するQ&A(PDF)

事業主の証明による被扶養者認定Q&A(PDF)

被扶養者の収入確認に当たっての「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書(PDF)

 

ご不明な点等ありましたら、業務第一係までお問い合わせください。

業務第一係 TEL 03-3987-3154